# HG changeset patch # User Kenichi Handa # Date 1031055500 0 # Node ID 9c4aa309dfc5a0d3915ded60fd5423e9826e451d # Parent 31c7cb792cd2364f3887cbca77333b36186a858b Updated in accordance with the latest English version. diff -r 31c7cb792cd2 -r 9c4aa309dfc5 etc/TUTORIAL.ja --- a/etc/TUTORIAL.ja Tue Sep 03 07:14:54 2002 +0000 +++ b/etc/TUTORIAL.ja Tue Sep 03 12:18:20 2002 +0000 @@ -1,22 +1,21 @@ -Copyright (c) 1985 Free Software Foundation, Inc; ファイル最後を参照のこと - あなたが現在見ているのは Emacs 入門ガイドです。 +あなたが現在見ているのは Emacs 入門ガイドです。ファイル最後を参照のこと。 +Copyright (c) 1985, 1996, 1998, 2001, 2002 Free Software Foundation. Emacs のコマンドを入力するには、一般にコントロールキー(キートップに -CTRL とか CTL と書いてある)やメタキー(キートップに META とか ALT と -書いてある)を使います。そこで、CONTROL とか META とか書く代わりに、次 -のような記号を使うことにします。 +CONTROL とか CTRL とか CTL と書いてある)やメタキー(キートップに META +とか ALT とか EDIT と書いてある)を使います。そこで、CONTROL とか META +とかを書く代わりに、次のような記法を使うことにします。 C-<文字> コントロールキーを押したまま、<文字>キーを押します。例えば、 C-f はコントロールキーを押しながら f のキーを押すことです。 - M-<文字> メタキーを押したまま、<文字>キーを押します。もしメタキーがな い場合は、エスケープキーを押してから離し、それから<文字>キー を押します。以降エスケープキーのことを と書きます。 !重要!: Emacsを終了するには、C-x C-c をタイプします。 - ">>" で始まる行は、その時何をすべきかを指示しています。例えば、 -<> +<> +[このページの途中の空白行はわざと入れてあります。ガイドは下に続きます。] >> では C-v (次の画面を見る)をタイプして次の画面に進んで下さい。 (さあ、やってみましょう。コントロールキーを押しながら v です) 以降、一画面を読み終えるたびに同様にして次の画面に読み進んで下さい。 @@ -25,10 +24,10 @@ れは、表示されている内容が連続していることがすぐ判るようにするためです。 まずは、ファイルの中を移動して行く方法を知る必要があります。C-v によっ -て先に進むことはもう判りました。元に戻るには、M-v (メタキーを押しなが -ら v、もしくは を押して離して v)です。 +て次の画面に進むことはもう判りました。前の画面に戻るには、M-v (メタキー +を押しながら v、もしくは を押して離して v)です。 ->> M-v と C-v を使って、前後に移動することを何回か試して下さい。 +>> 何度か M-v と C-v を試して下さい。 *ここまでの要約 @@ -43,19 +42,23 @@ >> カーソルを見つけ、その近くにどんな文章が書かれているかを覚え、 それから C-l をタイプして下さい。 - カーソルがどこに移動したか、その近くのテキストはどうなったかを調べ + カーソルがどこに移動したか、その近くの文章はどうなったかを調べ てみましょう。 +もしあなたのキーボードに PageUp や PageDn キーがあるなら、それらも画面 +のスクロールに使えます。でも、C-v や M-v を使う方が効率的です。 -*基本的なカーソルの制御 + +*カーソル移動の基本 ======================== 画面毎の移動はできるようになりました。今度は、画面の中で、特定の場所に 移動するための方法を憶えましょう。 -これにはいくつかのやり方があります。一番基本的な方法は C-p, C-b, C-f, -C-n を使うことです。これらはそれぞれカーソルを前の行、前の文字、次の文 -字、次の行に移動させるます。図で書けば、 +これにはいくつかのやり方があります。矢印キーを使うこともできますが、手 +をキーボード上の標準位置から大きく動かさずに、 C-p、C-b、C-f、C-n を使 +う方が効率的です。これらは4つの矢印キーと同じ働きをします。図で書けば、 +次のようになります。 前の行,C-p : @@ -70,11 +73,10 @@ これらはのコマンドはそれぞれ、Previous, Next, Backward, Forward の頭文 -字になっているので、憶えやすいでしょう。これらは、基本的なカーソル移動 -コマンドであり、いつでも使うものです。今ここで覚えて下さい。 +字になっているので、憶えやすいでしょう。これらは、カーソル移動の基本 +コマンドであり、頻繁に使うものです。 ->> C-n を何回かタイプし、(今、あなたが読んでいる)この行までカーソル - を移動させましょう。 +>> C-n を何回かタイプし、この行までカーソルを移動させましょう。 >> C-f を使って行の中ほどに移動し、C-p で何行か上に移動させましょう。 カーソルの位置の変化に注意して下さい。 @@ -108,12 +110,12 @@ >> M-f や M-b を何回か試してみましょう。 -単語の中程にいる時は、M-f はその単語の終わりまで進みます。もし空白文字 -にいる時には M-f は次の単語の終わりまで進みます。M-b も同様です、方向 -は逆ですが。 +単語の中程にいる時は、M-f はその単語の終わりまで進みます。もし単語間の +空白にいる時には M-f は次の単語の終わりまで進みます。M-b も同様です、 +方向は逆ですが。 ->> M-f と M-b を C-f と C-b を交えながら数回試し、単語の中に入る時と、 - 単語と単語の間にいる時の動きを調べて下さい。 +>> M-f と M-b を C-f と C-b を交えながら数回試し、カーソルが単語中にあ + る時と、単語と単語の間にある時の動きを調べて下さい。 C-f と C-b に対する、M-f と M-b の類似性に注目しましょう。多くの場合、 メタキーは文書を構成するユニット(単語、文、段落)に対する操作に使い、 @@ -126,9 +128,9 @@ >> C-a を2回、それから C-e を2回試しましょう。 M-a を2回、それから M-e を2回試しましょう。 -C-a や C-e は繰返してもそれ以上移動しませんが、M-a を繰り返すとどんど -ん前の文頭に戻っていきます。この部分では類似性が破れていますが、まあこ -れが自然な動作ではないでしょうか。 +C-a を繰返してもそれ以上移動しませんが、M-a を繰り返すとどんどん前の文 +頭に戻っていきます。この部分では類似性が破れていますが、まあこれが自然 +な動作ではないでしょうか。 文章中でカーソルがある位置を「ポイント」と呼びます。言いかえれば、カー ソルは、文章のどこにポイントがあるかを画面上で示しているのです。 @@ -148,13 +150,16 @@ C-a 行頭に移動 C-e 行末に移動 + M-a 文頭に移動 + M-e 文末に移動 + >> これら全部を何度か試して練習しましょう。 どれも頻繁に使うコマンドです。 あと二つ、重要なカーソル移動コマンドがあります。ファイルの先頭に移動す る M-< と、ファイルの末尾に移動する M-> です。 -大抵の端末では "<" キーは ","キー(コンマ)の上にあり、それをタイプす +大抵の端末では "<" キーは "," キー(コンマ)の上にあり、それをタイプす るにはシフトキーを使う必要があります。したがって M-< をタイプするには、 メタキーとシフトキーとコンマキーを同時に押さねばなりません。 @@ -174,9 +179,11 @@ Emacsの大抵のコマンドには数値引数を与えることができます。大抵の場合こ の数値で繰り返し回数を指示することになります。数値引数を与えるには、コ -マンドを入力する前に C-u に続いて数字何桁かタイプします。もしメタキー +マンドを入力する前に C-u に続いて数字を何桁かタイプします。もしメタキー が使えるなら、メタキーを押しながら数字をタイプすることもできます。でも やはり C-u を覚えることを勧めます。それはどんな端末でも使えるからです。 +数値引数は「前置引数」とも呼びます。実行したいコマンドの前にタイプする +からです。 例えば C-u 8 C-f とタイプすると8文字分先に移動します。 @@ -184,18 +191,22 @@ この行の近くに来るようにしてみましょう。 大抵のコマンドは数値引数を繰り返し回数と解釈しますが、中には例外もあり -ます。C-v や M-v がそうです。この場合、指定された数の行だけ画面をスク -ロールさせることになります。例えば C-u 4 C-v は画面を4行分上にスクロー -ルさせます。 +ます。たとえば、コマンドによっては(これまでに学んだコマンドはどれも違 +いますが)、前置引数があるかないかだけが問題で、それがあるときは、実際 +に与えた数値には関係なく、通常とは異なる働きをします。 + +C-v や M-v はまた違ったタイプの例外です。この場合、指定された数の行だ +け画面をスクロールさせることになります。例えば C-u 8 C-v は画面を8行 +上にスクロールさせます。 >> C-u 8 C-v を試してみましょう。 画面が上に8行スクロールしたはずです。また画面を下にスクロールさせるには M-v に引数を与えればよいのです。 -もし X ウィンドウを使っているのなら、スクロールバーと呼ばれる縦長の四 -角いエリアが Emacs のウィンドウの左端にあるはずです。そこをマウスをク -リックして画面をスクロールさせることもできます。 +もし X や MS-Windows のウィンドウシステムを使っているのなら、スクロー +ルバーと呼ばれる縦長の四角いエリアが Emacs のウィンドウの左端にあるは +ずです。そこをマウスでクリックして画面をスクロールさせることもできます。 >> スクロールバーの中でマウスの真中のボタンを押してみましょう。ボタン を押した位置で決まる文章の位置まで画面がスクロールします。 @@ -216,7 +227,7 @@ >> C-u 100 とタイプして引数100を設定してから C-g を打ってみましょう。 それから C-f を打って下さい。一文字しか進まないはずです。なぜなら、 - C-g で数値引数がキャンセルされたからです。 + C-g が数値引数をキャンセルしたからです。 間違って をタイプしてしまった時も、C-g でそれを取り消せます。 @@ -266,37 +277,43 @@ *挿入と削除 ============ -テキストを入力したければ、単にそれをタイプして下さい。Emacs は、目に見 -える文字(A, 7, * 等)をテキストであるとみなすので、それらはそのまま挿 -入されます。(改行キー)をタイプすれば改行文字が挿入されます。 +文章を入力したければ、単にそれをタイプして下さい。Emacs は、目に見える +文字(A, 7, * 等)を文章であるとみなすので、それらはそのまま挿入されま +す。(改行キー)をタイプすれば改行文字が挿入されます。 + +直前に入力した文字を削除するには、 をタイプします。 +は、Emacs 以外で、最後にタイプした文字を削除するために使うキーボード上 +のキーです。通常は、 キーの上方にある大きめのキーで、 +"Delete" とか "Del" とか "Backspace" と書いあります。 -直前に入力した文字を削除するには、 をタイプします。 は、 -キーボード上に「Del」と書いてあるキーです。時には キーも - として動作しますが、いつもではありません。 +もし、そのそれが "Backspace" と書いてあるなら、それが キーです。 +その場合、他の場所に "Delete" と書いてあるキーがあるかもしれませんが、 +それは キーではありません。 -より一般的には、 は現在カーソルのある位置の直前の文字を削除し -ます。 +より一般的に言うなら、 は現在カーソルのある位置の直前の文字を +削除します。 ->> 文字をいくつかタイプし、それからそれらを を使って削除し +>> 文字をいくつかタイプし、それからそれらを を使って削除し て下さい。このファイルを変更することを気にする必要はありません。オ リジナルの入門ガイドファイルは変更されませんから。今見ているファイ ルはあなたのためのコピーです。 文章の一行が画面に収まらない程長くなった場合、その行は画面上の次の行へ -と継続(continued)されます。画面の右端の backslash 文字 ("\") は、そ -の行が継続されていることを表しています。 +と継続(continued)されます。画面の右端の backslash 文字 "\" (あるい +は、もしウィンドウシステムを使っているなら、小さな曲った矢印)は、その +行が継続されていることを表しています。 >> 画面の右端まで文章を入力し、さらに入力を続けて下さい。 継続行ができるのが分るでしょう。 ->> を使って画面に収まるところまで現在の行を短くしてみてくださ +>> を使って1行に収まるところまで現在の行を短くしてみてくださ い。継続行は消えます。 改行文字も他の文字と同じように削除できます。2つの行の間の改行文字を消 すとそれらの行が合わさり1つの行になります。もしその合わさった行が画面 の幅よりも長い場合は、継続行となって表示されます。 ->> カーソルを行の先頭に移動し、 をタイプして下さい。現在の行が +>> カーソルを行の先頭に移動し、 をタイプして下さい。現在の行が その前の行とつながります。 >> をタイプして、今削除した改行文字をまた挿入して下さい。 @@ -306,73 +323,82 @@ >> C-u 8 * とタイプすると ******** が挿入されます。試してみましょう。 -これで、Emacs でテキストを入力し、また間違いを修正するもっとも基本的 -な方法を学んだことになります。文字と同じ様に、単語や行も削除することができ -ます。削除操作について要約すると次のようになります。 +これで、Emacs で文章を入力し、また間違いを修正するもっとも基本的な方法 +を学んだことになります。文字と同じ様に、単語や行も削除することができま +す。削除操作について要約すると次のようになります。 - カーソルの直前の文字を削除(delete) + カーソルの直前の文字を削除(delete) C-d カーソルのある文字を削除(delete) - M- カーソルの直前の単語を消去(kill) - M-d カーソル位置以降にある単語を消去(kill) + M- カーソルの直前の単語を消去(kill) + M-d カーソル位置の後ろにある単語を消去(kill) C-k カーソル位置から行末までを消去(kill) M-k カーソル位置から文末までを消去(kill) - と C-d に対する M- と M-d は、C-f と M-f で始まった類 -似性をまた拡張します。ここで はコントロール文字ではありません + と C-d に対する M- と M-d は、C-f と M-f で始まった類 +似性をまた拡張します。ここで はコントロール文字ではありません が、まあ、それは気にしないで下さい。C-k と M-k の関係は C-e と M-e の 関係(行と文の対比)と同じです。 -一度に2文字以上消した場合、Emacs はその消したテキストを保存しておいて、 -また元に戻すことができるようにしています。この「元に戻す」という動作を -再入(yanking)と呼びます。消したテキストは、元と同じ場所にでも元とは -違う場所にでも再入できます。また、何度も再入してテキストのコピーを複数 -作ることもできます。再入のためのコマンドは C-y です。 +バッファのどの部分でも消去(kill)できる単一の方法があります。消去した +い部分の始めか終りに移動し、 C-@ もしくは C-SPC をタイプします (SPC は +スペースバーのことこです)。それから消去したい部分の反対の端に移動し、 +C-w をタイプします。これでその部分が消去されます。 + +>> カーソルを前のパラグラフの最初の文字「バ」に移動させましょう。 +>> それから C-SPC をタイプします。"Mark set" というメッセージが画面の + 下端に出るはずです。 +>> さらにカーソルを次の行の「終」に移動させます。 +>> C-w をタイプしましょう。「バ」から「終」の直前までが消去されます。 「消去(kill)」と「削除(delete)」の違いに気をつけて下さい。消去した -テキストは再入できますが、削除したものは再入できません。一般に、大量の -テキストを消すコマンドはそのテキストを保存しておきますが、一文字とか空 -白行や空白文字を削除するコマンドは削除したものを保存しきません。 +文章は再度挿入できますが、削除したものは再度挿入することはできません。 +一旦消去したものを再度挿入することを再入(yanking)と呼びます。一般に、 +大量の文章を消すコマンドは、その文章を消去しますが、一文字とか空白行や +空白文字のみを消すコマンドは、それらを削除します(だからそれらは再入で +きません)。 >> 空行でない行の先頭にカーソルを移動させて下さい。 - それから C-k でその行のテキストを消去して下さい。 + それから C-k でその行の文章を消去して下さい。 >> もう一度 C-k をタイプしてください。その行に続く改行文字が消されるの が分りましたか。 -一回目の C-k はその行のテキストを消し、2回目の C-k はその行自身を消し -てその先の行を上げてきます。C-k の数値引数の扱いは特殊です。引数分の行 -(行の内容と行自身)を消します。これは単なる繰り返しではありません。 -C-u 2 C-k は2つの行とそれぞれに続く改行文字を消しますが、C-k を2度タ -イプしてもそうはなりません。 +一回目の C-k はその行の文章を消し、2回目の C-k はその行自身を消してそ +の先の行を上げてきます。C-k の数値引数の扱いは特殊です。引数分の行(行 +の内容と行自身)を消します。これは単なる繰り返しではありません。C-u 2 +C-k は2つの行とそれぞれに続く改行文字を消しますが、C-k を2度タイプし +てもそうはなりません。 -最後に消去したテキストを現在カーソルがある位置に再入するには C-y をタ -イプします。 +消去した文章を復活させる操作を再入(yanking)と呼びます。消した文章は、 +元と同じ場所にでも元とは違う場所にでも、さらには別のファイルにも再入で +きます。また、何度も再入して文章のコピーを複数作ることもできます。 ->> 試して下さい。C-y をタイプして最後に消去したテキストを再入しましょう。 +再入のためのコマンドは C-y です。これは、最後に消去した文章を現在カー +ソルがある位置に再入します。 -C-y は、あなたが無くしたものを取り戻すものだと考えましょう。C-k を続け -て実行すると、消去した各行は全部まとめて保存されるので、一回の C-y で -それらの行が全部再入されます。 +>> 試して下さい。C-y をタイプして最後に消去した文章を再入しましょう。 + +C-k を続けて実行すると、消去した各行は全部まとめて保存されるので、一回 +の C-y でそれらの行が全部再入されます。 >> C-k を何度か続けてタイプしてみて下さい。 -さあ、消去したテキストを再入しましょう。 +さあ、消去した文章を再入しましょう。 >> C-y をタイプして下さい。次にカーソルを数行下に移動させ、また C-y を - タイプして下さい。どうやってテキストをコピーするか分りましたね。 + タイプして下さい。どうやって文章をコピーするか分りましたね。 -過去に消去したテキストを再入したいのに、別のテキストをその後消去した時 -はどうすればよいでしょう? C-y は最後に消去したものを再入します。でも -それでより以前に消去したテキストがなくなるわけではありません。そういう -テキストは M-y で再入できます。C-y で最後に消去したテキストを再入した -直後にM-y をタイプすると、その再入されたテキストはそれ以前に消去したも -のに変更されます。何度も続けて M-y をタイプすると、さらに前に消去した -テキストを呼び戻せます。望みのテキストに行き当ったら、それはそのままに -して編集作業を続ければよいのです。 +過去に消去した文章を再入したいのに、別の文章をその後消去した時はどうす +ればよいでしょう? C-y は最後に消去したものを再入します。でもそれでよ +り以前に消去した文章がなくなるわけではありません。そういう文章は M-y +で再入できます。C-y で最後に消去した文章を再入した直後にM-y をタイプす +ると、その再入された文章はそれ以前に消去したものに変更されます。何度も +続けて M-y をタイプすると、さらに前に消去した文章を呼び戻せます。望み +の文章に行き当ったら、それはそのままにして編集作業を続ければよいのです。 -ある回数だけ M-y を繰り返したら、また最初(つまり最後に消去したテキス -ト)に戻ります。 +ある回数だけ M-y を繰り返したら、また最初(つまり最後に消去した文章) +に戻ります。 >> 一行消去し、別の行に行ってその行を消去して下さい。 それから C-y で2番目(最後)に消去した行を再入して下さい。 @@ -393,9 +419,8 @@ ただしこれには例外が二つあります。まず、文章を変更しないコマンドは取り 消しになりません。カーソル移動やスクロールのコマンドがそれに当たります。 -それから、テキスト文字の挿入(自己挿入コマンド)は 20 個一まとめで扱わ -れます。これはテキストの挿入を取り消すための C-x u の回数を減らすため -です。 +それから、文字の挿入(自己挿入コマンド)は 20 個一まとめで扱われます。 +これは文字の挿入を取り消すための C-x u の回数を減らすためです。 >> この行をC-kで消して下さい。そして、C-x u で戻して下さい。 @@ -407,21 +432,24 @@ C-_ や C-x u は数値引数を繰り返し回数と解釈します。 +文章の削除も文章の消去と同様に取り消せます。削除と消去の違いは再入でき +るかどうかの違いだけで、取り消しには関係ありません。 + *ファイル ========== 編集している文章を恒久的な物にするには、それをファイルに保存しなければ なりません。さもないと、Emacs の終了と同時にそれはなくなってしまいます。 -文章をファイルにセーブ(保存)するには、テキストを入力する前に、まずファ -イルを開かなければなりません(ファイルを "visit" するとも言います)。 +文章をファイルにセーブ(保存)するには、文章を入力する前に、まずファイ +ルを開かなければなりません(ファイルを "visit" するとも言います)。 -ファイルを開くとは、そのファイルの中身を Emacs で見ることを意味します。 -色々な意味で、それはあなたがファイル自身を編集しているかの様です。しか -し、Emacs で行う変更はファイルをセーブする迄は恒久的なものとなりません。 -これは、それを望まないのに、途中まで変更したファイルが残るのを避けるた -めです。セーブした後でさえ、変更したものが間違っていた時のために、元の -ファイルは名前を変えて残されます。 +ファイルを開く (find) とは、そのファイルの中身を Emacs で見ることを意 +味します。色々な意味で、それはあなたがファイル自身を編集しているかの様 +です。しかし、Emacs で行う変更はファイルをセーブする迄は恒久的なものと +なりません。これは、それを望まないのに、途中まで変更したファイルが残る +のを避けるためです。セーブした後でさえ、変更したものが間違っていた時の +ために、元のファイルは名前を変えて残されます。 画面の一番下近くに、"-J:-- TUTORIAL.ja" の様な文字列で始まり "----" で 終っている行があるはずです。通常は画面のこの部分に現在開いているファイ @@ -433,7 +461,7 @@ 前を指定しなければなりません。これを、コマンドが「端末から引数を読み込 む」と言います。今の場合は引数はファイル名です。次のコマンド - C-x C-f Find a file + C-x C-f ファイルを開く (find) をタイプすると、Emacs はファイル名を聞いてきます。タイプしたファイル名 は画面の最下行に表示されます。この最下行は、こういう入力のために使って @@ -454,14 +482,14 @@ ファイルの内容が画面に表示されると、その内容を変更することができます。 加えた変更を恒久的なものにしたければ、次のコマンドをタイプします。 - C-x C-s Save the file + C-x C-s ファイルをセーブする これは Emacs が保持している文章をファイルにコピーします。初めてこれを 実行するときは、元のファイルを新しい名前に付け替えるので、その内容は失 -われません。その新しい名前は元のファイルの名前の最後に'~'をつけたもの -です。 +われません。その新しい名前は元のファイルの名前の最後に "~" をつけたも +のです。 -セーブが終わると、セーブしたファイルの名前が表示されます。割と頻繁にセー +セーブし終わると、セーブしたファイルの名前が表示されます。割と頻繁にセー ブした方が良いでしょう。システムが落ちてもせっかくの作業がパアにならな いように。 @@ -501,34 +529,57 @@ います。ファイルを開くと新しいバッファができます。Emacs が現在持ってい るバッファのリストを見るには、次のようにタイプします。 - C-x C-b List buffers + C-x C-b バッファのリストを見る >> C-x C-b を試してみましょう。 -各バッファがどんな風に名前やそれが開いているファイルに対するファイル名 -を持っているか見て下さい。ファイルを開いていないバッファもあります。た -とえば、"*Buffer List*" という名のバッファはどんなファイルも開いていま -せん。これはバッファのリストを内容とするバッファで、C-x C-b で作られた -ものです。Emacs のウィンドウ内にあるテキストはどれも、いずれかのバッファ -の一部です。 +各バッファがどんな名前になっているか、それが開いているファイルの名前が +どうなっているか見て下さい。Emacs のウィンドウ内にある文章はどれも、い +ずれかのバッファの一部です。 >> C-x 1 とタイプしてバッファリストを消しましょう。 +バッファが複数あっても、ある時点ではその一つだけが「現在」のバッファで +す。それはあなたが編集中のバッファです。もし他のバッファを編集したけれ +ば、そのバッファに切替えなければなりません。ファイルを開いているバッファ +に切替えるには、また C-x C-f でそのファイルを開けば良いでしょう。でも、 +もっと簡単な方法もあります。C-x b コマンドです。このコマンドをタイプし +て、バッファの名前を入力すれば良いのです。 + +>> C-x b foo とタイプして、 "foo" というファイルを開いている + "foo" バッファに戻ってみましょう。それから C-x b TUTORIAL.ja + とタイプして、このガイドに戻りましょう。 + +普通は、バッファの名前とそれが開いているファイルの名前(ディレクトリ名 +の部分を除いて)は同じです。例外もあります。C-x C-b で作ったバッファリ +ストは常に各バッファの名前を表示します。 + +あなたが Emacs のウィンドウで見る文章はどれも、いずれかのバッファの一 +部です。バッファによっては対応するファイルが無いものもあります。例えば +"*Buffer List*" という名前のバッファにはファイルがありません。このバッ +ファはあなたが C-x C-b で作ったバッファリストを保持しているバッファで +す。"*Messages*" というバッファもファイルを持ちません。このバッファは、 +Emacs が最下行に表示するメッセージを保持しています。 + +>> C-x b *Messages* とタイプしてメッセージのバッファを見てみ + ましょう。それから C-x b TUTORIAL.ja でこのガイドに戻って + 下さい。 + あるファイルの内容になんらかの変更を加え、それから他のファイルを開いて も、最初のファイルはまだセーブされません。変更は Emacs の内部、そのファ イルに対応するバッファの中に残ったままです。2番目のファイルのバッファ を作ったり、編集したりしても、最初のファイルのバッファには何の影響もあ りません。これはとても役に立ちますが、最初のファイルのバッファをセーブ する何か便利な方法が必要だということでもあります。 C-x C-s でセーブす -るために C-x C-f で元のバッファに戻るのはは厄介です。そこで次のコマン -ドを使います。 +るために C-x C-f で元のバッファに戻るのは厄介です。そこで次のコマンド +を使います。 C-x s 何れかのバッファをセーブする C-x s は、まだセーブしていない変更があるバッファそれぞれについて、それ をセーブするかどうかを聞いてきます。 ->> 一行テキストを入力してから C-x s とタイプして下さい。 +>> 一行文章を入力してから C-x s とタイプして下さい。 TUTORIAL.ja というバッファをセーブするかどうか聞いてくるはずです。 「はい」と答えるために "y" とタイプして下さい。 @@ -536,9 +587,9 @@ *コマンドの拡張 ================ -Emacs には、コントロール文字やメタ文字に割当られるよりもずっとずっと多 -くのコマンドがあります。これらを扱うために、拡張(eXtend)コマンドを使 -います。それには、以下の2つの種類があります。 +Emacs には、コントロール文字やメタ文字に割当てられるよりもずっとずっと +多くのコマンドがあります。これらを扱うために、拡張(eXtend)コマンドを +使います。それには、以下の2つの種類があります。 C-x 文字による拡張。続けて一文字を入力します。 ESC x 名前による拡張。続けてコマンドの名前を入力します。 @@ -547,8 +598,8 @@ いられないコマンドです。C-x C-f (ファイルを開く)や C-x C-s(ファイル をセーブ)はこの仲間です。他に、C-x C-c(Emacs を終了)もそうです。C-x C-c に関しては、それまでに加えた変更が無くなるのを心配する必要はありま -せん。Emacs を終了させる前に変更された各ファイルをセーブするかどうか聞 -いてきますから。 +せん。Emacs を終了させる前に、変更された各ファイルをセーブするかどうか +聞いてきますから。 C-z は「一時的に」 Emacs を抜けるコマンドです。また同じ Emacs セッショ ンに戻ることができます。 @@ -566,10 +617,10 @@ C-x C-c はログアウトしようと思う時に使うものです。メールツール(mail コマンド等)やその他の様々なアプリケーションプログラムが起動した Emacs -から抜け出る場合に使うのも正しい使い方です。これらのプログラムは Emacs +から抜け出る場合に使うのも正しいやり方です。これらのプログラムは Emacs の中断にどう対処して良いか知らないでしょうから。しかしながら、普通の場 -合は、ログアウトしようしない限りは Emacs を終了させるよりは C-z で中断 -させる方が良いでしょう。 +合は、ログアウトしようとしない限りは Emacs を終了させるよりは C-z で中 +断させる方が良いでしょう。 C-x コマンドはたくさんあります。これまでに、以下を学びました。 @@ -577,6 +628,7 @@ C-x C-s ファイルのセーブ(Save) C-x C-b バッファのリストアップ C-x C-c Emacs を終了 + C-x 1 ウィンドウを1つにする(つまり他のウィンドウを全部消す) C-x u 取り消し 名前による拡張コマンドには、あまり使わないものや、特定のモードでしか使 @@ -584,12 +636,13 @@ 換するものです。M-x をタイプすると、Emacs は画面の最下行に M-x と表示 し入力を促すので、そこにコマンドの名前(この場合 "replace-string")を 入れなければなりません。"repl s" とだけタイプすると Emacs がコマ -ンド名を補完してくれます。コマンド名を入れたら を打って下さい。 +ンド名を補完してくれます。( はタブキーです。普通は、キーボードの +左端、CapsLock もしくは Shift キーの近くにあります。)コマンド名を入れ +たら を打って下さい。 "Replace string" コマンドには引数が二つ必要です。どの文字列をどう置換 するかです。各引数を入力するたびに を打って下さい。 - >> カーソルをここから2行下の空行に移動させて下さい。 M-x repl schangedAltered とタイプしましょう。 @@ -624,7 +677,8 @@ *モードライン ============== -エコーエリアのすぐ上の行は、モードラインと呼びます。モードラインはこんな風に見えるでしょう。 +エコーエリアのすぐ上の行は、モードラインと呼びます。モードラインはこん +な風に見えるでしょう。 -J:** TUTORIAL.ja (Fundamental)--L670--58%---------------- @@ -638,7 +692,13 @@ --Bot-- と表示します。もし画面に全部収まってしまうような短い文章を見て いるときには --All-- と表示します。 -括弧に囲まれた部分はどうな編集モードにいるかを示します。デフォルトは +L とそれに続く数字は現在の行番号を示しています。 + +先頭近くの星印は、あなたが文章を変更したことを示しています。ファイルを +開いた直後や、セーブした直後は、その部分には星印の代わりにダッシュ `-' +が表示されます。 + +括弧に囲まれた部分はどんな編集モードにいるかを示します。デフォルトは "Fundamental" というモード、これが現在のモードです。これは「メジャーモー ド(major mode)」の一例です。 @@ -658,7 +718,6 @@ もし、通常の英語や日本語の文章(このファイルのような)を編集するのなら ば、Text mode を使いましょう。 - >> M-x text-mode とタイプしてみて下さい。 心配しないで。これまで学んだコマンドはたいして変わりませんから。だけど、 @@ -685,7 +744,7 @@ 通常の文章を編集している時にとても便利なマイナーモードの一つにオートフィ ル(Auto Fill)モードというのがあります。このモードがオンの時に文章を 入力していって行を長くしすぎた場合、自動的に単語と単語の間で行が分割さ -れます(日本語の場合はどの文字の間でも)。 +れます(日本語の場合はどの文字の間でも。禁則処理もなされます)。 Auto Fill モードは M-x auto-fill-mode とやればオンにできます。 それがオンの状態で M-x auto-fill-mode とやれがオフにできます。 @@ -711,6 +770,7 @@ >> カーソルをこの行直前のパラグラフに移動させ M-q とタイプして下さい。 + *検索 ====== @@ -735,7 +795,7 @@ 見ましょう。 さあ、"cursor" が1回見つかりました。 >> もう一度 C-s と打って次の "cursor" を見つけましょう。 ->> 今度は を4回打って、カーソルの動きを見て下さい。 +>> 今度は を4回打って、カーソルの動きを見て下さい。 >> と打って検索を終了しましょう。 何が起ったか分りますか?インクリメンタル検索では、あなたがそれまでに打っ @@ -751,28 +811,28 @@ ルサーチになる)" の節を読んでください。このやっかいなOSの機能にどう 対処すれば良いかが載っています。 -インクリメンタル検索の途中で を打つと検索文字列中の1番後ろの -文字が消えます。そして、カーソルは、前回の位置に戻ります。たとえば、 -"c" とタイプして最初の "c" を探します。それから "u" を打つと最初の -"cu" の場所にカーソルが動きます。そこで を打つと "u" を検索文 -字列から消して、カースルは最初に "c" が現れた場所に戻ります。 - +インクリメンタル検索の途中で を打つと検索文字列中の1番最後 +の文字が消えます。そして、カーソルは、前回の位置に戻ります。たとえば、 +"c" とタイプして最初の "c" を探します。それから "u" を打つと最初の"cu" +の場所にカーソルが動きます。そこで を打つと "u" を検索文字列 +から消して、カースルは最初に "c" が現れた場所に戻ります。 C-s は、現在のカーソル位置以降に出てくる検索文字列を探し始めます。もし、 文章の前の方を探したかったら、C-r をタイプします。これまでの C-s につ いての説明はすべて C-r にも当てはまります。検索の方向が反対なだけです。 + *複数のウィンドウ ================== Emacs の素敵な機能の一つとして、一つの画面に同時にいくつものウィンドウ を表示することができます。 ->> カーソルをこの行に持ってきて C-u 0 C-l とタイプして下さい。 +>> カーソルをこの行に持ってきて C-u 0 C-l とタイプして下さい(最後のは + CONTROL-L ですよ、CONTROL-1 じゃありません)。 ->> それから C-x 2 とタイプし画面を2つのウィンドウに分割しましょう。 - どちらのウィンドウもこの入門ガイドを表示しています。カーソルは上の - ウィンドウにあります。 +>> それから C-x 2 で画面を2つのウィンドウに分割しましょう。どちらのウィ + ンドウもこのガイドを表示しています。カーソルは上のウィンドウ内です。 >> C-M-v とタイプし下のウィンドウをスクロールさせましょう。 (メタキーがない場合は ESC C-v とタイプします。) @@ -800,8 +860,8 @@ キーはどちらを先に押しても構いません。どちらもその後にタイプされる文字 に対する修飾キー (modifier key) として働くからです。 -メタキーが無い場合、ESC キーを使いますが、この場合順番が大事です。まず -ESC を押してから離して C-v を打ちます。C-ESC v では駄目です。これは +メタキーが無い場合、ESC キーを使いますが、この場合は順番が大事です。ま +ずESC を押してから離して C-v を打ちます。C-ESC v では駄目です。これは ESC はそれ自体が一つの文字で修飾キーではないからです。 >> 上のウィンドウで C-x 1 とタイプし下のウィンドウを消しましょう @@ -810,7 +870,7 @@ このコマンドは「現在自分がいるウィンドウだけにしなさい」というものだと 思って下さい。) -同じバッファを両方のウィンドウに表示する必要はありません。一方のウィン +両方のウィンドウに同じバッファを表示する必要はありません。一方のウィン ドウで C-x C-f でファイルを開いても他方のウィンドウは変化しません。各 ウィンドウにおいて別々のファイルを開くことができるのです。 @@ -846,9 +906,9 @@ この入門ガイドでは Emacs を使い始めるのに十分な情報を提供したつもりで す。Emacs にはあまりにも多くの機能があるので、ここですべてを説明するの -は無理です。それでも役に立つ機能をもっと多く学びたいと思う人のためには、 -Emacs のコマンドの説明を読むためのコマンドがあります。これらの「ヘルプ」 -コマンドは皆 Control-h 文字(ヘルプ文字と呼びます)で始まります。 +は無理です。役に立つ機能をもっと多く学びたいと思う人のためには、Emacs +のコマンドの説明を読むためのコマンドがあります。これらの「ヘルプ」コマ +ンドは皆 Control-h 文字(ヘルプ文字と呼びます)で始まります。 ヘルプ機能を使うには、C-h に続いてどんな種類のヘルプが必要かを示す1文 字をタイプします。もしそれすら分らない場合は C-h ? とタイプしましょう。 @@ -862,10 +922,10 @@ を試してみて下さい。) 最も基本的なヘルプ機能は C-h c です。C-h、それから c、そしてコマンドの -文字若しくはそのシーケンスをタイプすると、そのコマンドについての短い説 +キー若しくはそのシーケンスをタイプすると、そのコマンドについての短い説 明を表示します。 ->> C-h c Control-p とタイプしてみましょう。 +>> C-h c C-p とタイプしてみましょう。 以下のようなメッセージが表示されるはずです。 C-p runs the command previous-line @@ -882,12 +942,12 @@ コマンドについてもっと多くの情報が欲しければ C-h c の代わりに C-h k を 使います。 ->> C-h k Control-p とタイプしてみましょう。 +>> C-h k C-p とタイプしてみましょう。 Emacsのウィンドウに、コマンドの名前と同時にその機能の説明が表示されま -す。読み終えたら、C-x 1 とタイプしてヘルプのテキストを消しましょう。必 -ずしもすぐにそうする必要はありません。ヘルプテキストを見ながら編集を続 -け、それから C-x 1 とタイプしても構いません。 +す。読み終えたら、C-x 1 とタイプしてヘルプの文章を消しましょう。必ずし +もすぐにそうする必要はありません。ヘルプの文章を見ながら編集を続け、そ +れから C-x 1 とタイプしても構いません。 C-h には他にも役に立つオプションがあります。 @@ -897,6 +957,10 @@ C-p コマンドを実行するファンクションについてのすべての情報を表示し ます。 +これに似たコマンド C-h v はその値をセットするとこによって Emacs の振舞 +いをカスタマイズできる変数の説明を表示します。変数名の入力をプロンプト +にしたがって入力します。 + C-h a コマンドアプロポス (command apropos)。キーワードを入力 すると、そのキーワードを名前に含む全てのコマンドをリス トアップします。これらのコマンドは全て M-x で実行でき @@ -914,6 +978,40 @@ >> C-x 1 でヘルプウィンドウを消して下さい。 + C-h i オンラインマニュアル(Info)を読む。このコマンドを使う + と、あなたは `*info*' という名の特殊なバッファに移され + ます。そこで、システムにインストールされているパッケー + ジのオンラインマニュアルが読めます。 m emacs + とタイプすれば Emacs のマニュアルが読めます。もし Info + を使うのが初めてなら、? とタイプしましょう。Info モー + ドのガイドツアーが始まります。この入門ガイドを読み終え + た後は、Emacs の Info マニュアルをあなたの教本にして下 + さい。 + + +*もっと多くの機能 +================== + +本のマニュアルであろうとオンラインマニュアル(Help メニューを使うか +F10 h r)であろうと、それを読めば Emacs についてもっと多くを学べます。 +あなたが特にお気に召すであろう機能に、タイプ数を減らしてくれる補完 +(completion)と、ファイルの扱いを単純化してくれるディレクトリ編集 +(dired) の2つのがあります。 + +補完(completion)は、不必用なタイプを省くためのものです。たとえば、も +し *Message* バッファに切替えたければ、C-x b *M とタイプするだけ +で、Emacs は残りのバッファ名を、既にタイプした部分から決定できる限り、 +埋めてくれます。補完は Info の Emacs マニュアルの "Completion" という +ノードで、説明されています。 + +ディレクトリ編集(dired)は、ディレクトリやそのサブディレクトリ中のファ +イルをリストアップし、リスト中を移動しながら、ファイルを開く、名前を変 +更する、削除する、その他の操作を行う、などができます。ディレクトリ編集 +は、Info の Emacs マニュアルの "Dired" というノードで、説明されていま +す。 + +マニュアルは、Emacs のその他の多くの機能について説明しています。 + *おわりに ========== @@ -922,18 +1020,20 @@ られるように一時的にシェルに戻るだけなら C-z です。 この入門ガイドは、まったくの初心者にもわかりやすいようにと意図していま -す。ですから、もし何かわかりにくい点があったなら、自分を責めないで文句 -をつけて下さい。 +す。ですから、もし何かわかりにくい点があったなら、自分を責めないで、私 +達に文句をつけて下さい。 *この翻訳版についての謝辞 ========================== -この文書は Emacs Ver.20 付属の英語版の入門ガイドを日本語に翻訳したもの -です。その際、Mule 付属の日本語ガイドを参考にしました。その日本語ガイ -ドは、元は SANETO Takanori 氏が日本語 MicroEmacs(kemacs) 入門編として -翻訳され、それを鈴木裕信氏 がNemacs/Mule 用に変更、 -さらに吉田茂樹氏が修正されたものです。これらの方々に深く感謝します。 +この文書は Emacs Ver.21 付属の英語版の入門ガイドを日本語に翻訳したもの +です。その際、Emacs Ver. 20 附属の日本語版入門ガイドをベースにしました。 +Emacs Ver. 20 附属の日本語版入門ガイドは、Mule 付属の日本語ガイドを参 +考にしたもので、その元は SANETO Takanori 氏が日本語 MicroEmacs(kemacs) +入門編として翻訳され、それを鈴木裕信氏 が +Nemacs/Mule 用に変更、さらに吉田茂樹氏が修正されたものです。これらの方々 +に深く感謝します。 *著作権表示 @@ -948,7 +1048,7 @@ This version of the tutorial, like GNU Emacs, is copyrighted, and comes with permission to distribute copies on certain conditions: -Copyright (c) 1985, 1996 Free Software Foundation +Copyright (c) 1985, 1996, 1998, 2001, 2002 Free Software Foundation Permission is granted to anyone to make or distribute verbatim copies of this document as received, in any medium, provided that the @@ -965,7 +1065,3 @@ same spirit. Please read the file COPYING and then do give copies of GNU Emacs to your friends. Help stamp out software obstructionism ("ownership") by using, writing, and sharing free software! - -;;; Local Variables: -;;; coding: iso-2022-jp -;;; End: